集合住宅(マンション)50年の変遷
集合住宅(マンション)は広く一般化していますが、どのような変遷を経て今日に至ったのかを改めて整理しましたのでご参考にして下さい
1960年代(昭和30年代)
【第1期マンションブーム】
近代化への取り組みの一環として、集合住宅の開発が推進され東京オリンピックが景気刺激となり、マンション開発が進み、国の持ち家政策の本格化とともに住宅都市整備公団(現:住宅・都市開発機構)により、「団地型マンション」が多く供給され第1期マンション建築ラッシュとなりました
「トピックス」
1964年東京オリンピック開催
首都高速建設
山陽新幹線
1965年高級マンション「コープオリンピア」完成(原宿駅前)
1960年代(昭和40年代)
【第2期マンションブーム】
より一般大衆向けの大型マンションンの開発がすすめられ第2期マンション建設ラッシュとなりました
1戸当たりの面積は50㎡(2LDK)前後の物件が多く供給されました
また、和室中心の間取りでしたが、給湯設備や風呂設備は最新技術が導入されました
「トピックス」
1966年ビートルズ来日
1967年第3次中東戦争勃発
1968年小笠原諸島米国より返還
1969年学生運動過激化(東大安田講堂占拠等)
1960年代の代表的なマンションは、
「西萩フラワーマンション」
「秀和外苑レジデンス」「マンション南目黒苑」
1970年代(昭和45年代)
【第3期マンションブーム】
田中角栄当時首相の「日本列島改造論」が不動産ブームを生み出し、不動産投資に沸いた一方、住宅金融公庫の制度を活用した「金融公庫つきマンション」の供給拡大があり、全国の分譲戸数が15万戸を超えるブームになり、第3期マンションブームに発展しました
「トピックス」
1970年よど号ハイジャック事件、ビートルズ解散
1971年カップヌードル発売開始
1972年あさま山荘事件
1975年山陽新幹線開通、沖縄海洋博覧会
1970年代の代表的な開発案件に、「多摩ニュータウン」があげれます
1970年代後半(昭和50年代)
【第4期マンションブーム】
マンションが一般化し、民間デベロッパーによる大型開発が増加し、第4期マンションブームとなりました
東京への通勤圏として、神奈川、埼玉、千葉の東京都隣接エリアのマンション供給が盛んに行われました
「トピックス」
1976年ロッキード事件発覚
1976年モントリオールオリンピック
1979年第2次オイルショック
この時代の代表的な物件は、
「シャンポール三田」「サンシテイ」(板橋区)
1980年代後半(昭和60年代移行)
【第5期マンションブーム】
バブル経済のピークを迎え時価が高騰し、都心部を中心にマンションも投資対象とされ、ファミリー向けマンションの開発は郊外で展開されるようになり第5期マンションブームとなりました
「トピックス」
バブル景気
1980年モスクワオリンピック
1982年東北新幹線、上越新幹線開通
1987年大韓航空機爆破事件
この時代の代表的な物件は、
「広尾ガーデンヒルズ」「ドムス高輪」
1990年代(平成)以降
【第6期マンションブーム】
1990年代(平成)以降はバブル崩壊により地価が長期にわたり下落し都心部でのファミリー向けマンション開発が始められ、「都心回帰現象」となり、2000年に入ってからは、都心部での超高層第6期マンションブームにまで発展しています
特に、2005年以降は都心部を中心とした超高層マンション開発が異常な勢いで進められています
「トピックス」
バブル経済崩壊
1990年東西ドイツ統一
1991年ソ連邦崩壊
1992年東海道新幹線のぞみ運行、山形新幹線開業
1994年関西空港開港
1995年地下鉄サリン事件
この時代の代表的な物件は、
「銀座タワー」「東京ツインパークス」
「ザ・ハウス南麻布」
集合住宅(マンション)が開発され始めてから50年経過し、管理業務や維持管理に関する課題も時代の変遷とともに、大きく変化してきています
1960年代(昭和30年代)に建てられた集合住宅は、 大規模な修繕工事を経たのち建て替え時期を迎え、 昭和50年代建築の大型マンションは、 大規模修繕工事が数回行われていますが、 10年、20年後には何れ建て替え時期を迎えることになります 1990年代後半に開発された超高層マンションも、数年のうちに大規模修繕工事の時期を迎えることになります。
共同住宅(マンション)の建物維持管理には、 営繕工事や修繕工事は欠かすことのできない重要取り組み課題ですが、 管理組合会計を大きく圧迫する要因にもなっています。 特に、小規模のマンションでは大規模修繕工事ができるだけの修繕積立金が集められず、経年劣化が著しい場合でも放置せざるを得ない状況が見受けられます。経済情勢の悪化により、管理費・修繕積立金の回収が思うようにいかないということも発生しています。
マンション管理において、共通するなやみとして役員の成り手不足があげられます。 近年、少子高齢化や夫婦共働きの一般化等の要因で、管理組合の役員になるだけの時間的余裕がない団塊ジュニアの世代は、管理組合に対する興味・関心が低く、役員になってもらえない等、管理組合を取り巻く環境には切実な問題が潜在化しているようです。
管理組合役員による不正問題も少なくありません 管理組合賃金の不正流用や理事会運営の独裁化等内容は様々ですが、委託・請負業者との癒着、或いは、親戚や知り合いに修繕工事を斡旋し、バックマージンを受け取るなどの不正があります。
マンションンの営繕工事、修繕工事は長期修繕計画をもとに計画し、マンション管理の主要業務ですが、90%以上のマンション管理組合は何らかの形で管理業務を管理会社に委託しているのが実態で、管理組合と管理業者間のトラブルも結構多く発生しているようです管理組合と管理会社の双方が時代の変化、趨勢に合致した新たな管理の仕組みを構築するべき時期にあると言えます。
管理業務の主は管理組合であり、管理会社はあくまでも業務サポートという立場にありますが、管理組合は管理会社に「おんぶにだっこ、丸投げ」に近い状態が多いようです 管理会社も管理の中心は管理組合であるという認識があるため、サポートの域を脱するまでの対応には中々苦労しているようです。このようなことから、事に及んだ場合、或いは何らかの事象が発生した場合は、「その責任所在」が焦点となり、双方にとって負の遺産となるまでに至るケースも発生しています。
管理組合が自主、自立、自発的に管理業務を遂行し、管理組合の資産を向上させ、住環境を向上させるための新たな仕組みづくりが必要です。管理会社は、その推進に向けどのようなサポートが適切かを再考する時期に来ています。
管理組合と管理会社の双方による、円滑な管理業務を推進できる新たな仕組みの構築が必要です「新連携事業計画」は、管理組合が管理会社との相互の連携により、自主、自立、自発的に管理業務を遂行できる新たな仕組みの構築をご提案いたします。