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マンション工事Q&A

 

(1)改修工事はなぜ必要なのか

1. マンションの改修工事は何故必要なのか

→経年による建物の傷み、劣化を修繕し快適な居住空間を維持するため10年~12年ごとに大規模な修繕工事を行う必要が有ります。特殊建築物定期検査も義務づけられており、2年に一度の定期検査を受けることも必要です。

2. 外壁や廊下を修繕するくらいなら、うちの部屋の改修をやってほしい。何故、外側(共有部)を優先させるのか

→集合住宅(マンション)の管理組合は、建物共用部を管理するよう法律で定められています。
 毎月の修繕積立金も共用部の営繕、修繕工事のための積立金です。

3. 改修工事の内容が全く分からない。改修内容と改修理由をはっきりさせてほしい

→経年による建物の傷み、劣化を修繕し快適な居住空間を維持するため10年~12年ごとに大規模な修繕工事を行う必要が有ります。特殊建築物定期検査も義務づけられており、3年に一度の定期検査を受けることも必要です。

4. 誰が改修工事なんかすること決めたのか

→大規模修繕工事は、長期修繕計画に基づき行われます。
経年による建物や建築設備の劣化を計画的に修繕する必要があります

5. この前工事したのに、何故またやるのか

→建物部位や各建築設備によって、修繕周期がことなってくるため、数年単位で大きな工事が発生することがあります。
 効率よく工事を推進するには、長期修繕計画の立案と実施スケジュールの十分な検討が必要です。

 

(2)改修工事は誰が決めるのか、誰が中心になって進めるのか

1. 工事内容はどのように決めるのか

→基本は長期修繕計画に基づき工事内容を決められますが、工事費用と修繕積立金に整合性があるかが1つの課題となります。
必要な工事の費用が、修繕積立金を上回る場合には、修繕費用の一時徴収も必要となります。
また、工事内容ごとの仕様、グレードの設定によっても費用は変わってきます。
工事実施形態によっても費用は大きく変わってきます。

2. 業者との話は誰が行うのか

→施主、発注者は管理組合全体ですが、基本的には理事会が中心となり、修繕委員会を別途設置し工事に向けて打ち合わせしていくことが一般的です。

3. 住民の希望や意見はどのように収集するのか

→工事内容の基本は、長期修繕計画に基づき行われますが、住民の希望や意見はアンケートや意見徴収により反映させることもできます。
外壁の色やタイルの色を決める際には、サンプルを掲示し住民アンケートにより決定することが一般的です。

4. 何でもかんでも理事会が勝手に決めるのか

→工事内容は長期修繕計画に基づき決めらていきます。工事実施方法や工事業者選定も様々な選択肢があります。
管理組合の執行機関として理事会は中心となりますが、公明正大な透明性のある決定方法と手順で工事は進めることができます。

5. 修繕委員会?何だそれは。誰がなるのか?声の大きな奴がまた出てくるのか

→修繕、営繕工事には特殊な知識や技術的な理解が必要です。特に大規模修繕工事になると大がかりな広範囲の工事になります。理事会だけで工事を円滑に進められない場合には、見識者や有資格者により修繕委員会を構成し、理事会をサポートすることがあります。
一般的には、修繕委員会のメンバーをマンション内で公募し、理事会にて委員を選出します。
立候補の条件に、有資格者であることを規定することも可能です。
そうすることにより、声が大きくても、資格や見識がないと委員にはなれません。
工事方法により、設計監理会社と取り組む事も可能です。

6. 修繕委員会が勝手に決めて、進めるのか?我々の意見は聞かないのか?報告はどうするのか?

→修繕委員会は、あくまでも理事会の下部組織です。修繕委員会での決定内容は、理事会での承認がないと、執行できません。修繕委員会が理事会を無視して、工事業者と直接取り決めをした場合は、善管注意義務違反や背任行為に抵触する事にもなりかねません。施主、発注者はあくまでも管理組合です。

7. 理事会と修繕委員会はどっちが偉いの?

→両者ともに重要な組織機能です。修繕委員会は理事会の下部組織であり、理事会は管理組合を代表する執行機関です。
最高決議機関は総会です。

 

(3)修繕費用について

1. 修繕費用は誰が出すのか

→管理組合です。毎月、マンションの区分所有者から一定額の修繕積立金を徴収して、
その中から修繕工事費用として支出します。

2. 修繕積立金はいくら残っているのか?今回の工事でいくら使うのか?工事内容と各費用をはっきりさせてほしい

→管理業務による毎月の月次報告で、組合資金の報告が行われています。
 年度末の会計報告は、通常総会にて行われます。
 工事費用と修繕積立金の残高収支は、長期修繕計画に基づく費用試算により算出できます。

3. 修繕積立金は足りるのか?一時金を徴収するのではないのか?

→管理業務による毎月の月次報告で、組合資金の報告が行われています。
年度末の会計報告は、通常総会にて行われます。
工事費用と修繕積立金の残高収支は、長期修繕計画に基づく費用試算により算出できます。

4. 修繕費用は誰が見積もるのか?それは妥当なのか、高くないのか?

→施工費用の妥当性は、素人では中々分かりづらいと言えます、プロだから正しいとも言い切れません。
費用の妥当性は、第三者が公明正大に評価し、より効率のよいコスト政策の助言を受けることが重要です。

5. 一体いくら必要なのか?本当にそれだけ必要なのか?

→第三者機関に費用査定を依頼することが賢明といえます

 

(4)施工業者、設計管理会社に関して

1. 工事業者はどのように決めるのか

→一般的には公募による入札が賢明と言えます。
統一仕様書に基づく費用見積を入札制にすることで、選定しやすくなります。
工事業者選定前に、設計監理方式にするのか、直管理方式にするのかと言う選択が必要です。

2. 知っている工事業者を使ってほしい。そこなら信用できるから

→一般的には公募による入札が賢明と言えます。

3. 工事方法はどうするのか。設計監理方式でやるのか、責任施工方式でやるのか。CM方式でやるのか。

→様々な経緯や今後を展望すると、価格開示方式が賢明と言えます

4. 知っている工事業者を使ってほしい。設計監理方式でやるのか、責任施工方式でやるのか?CM方式でやるのか?

→様々な経緯や今後を展望すると、価格開示方式が賢明と言えます。

 

(5)改修工事内容、調査・診断に関して

1. 工事が必要であるかどうかの調査はどうしたのか 誰がしたのか調査結果はどうなっているのか?

→工事計画の基軸は長期修繕計画があげられます。
実際の工事に向け劣化診断、調査が行われ、具体的な工事内容が決められていきます。
また、3年毎に「特殊建物定期検査」を受ける必要があります。
調査結果は理事会で確認され、掲示され、総会にて報告され、工事内容の承認というフローになります。

2. 何時やるのか?どれくらいかかるのか?

工事に関する内容は、総会にて検討され、承認されて初めて執行されます。
大規模修繕工事は内容や規模にもよります。

3. 長期修繕計画はどうなっているのか?今回の改修工事は修繕計画に合っているのか?

→工事内容、業者、費用、工事方法は全て総会で報告され開示された上で、承認が必要です
工事施工前には工事説明会が行われるのも一般的です

4. 長期修繕計画て何?なぜ必要なの?誰がつくるの?

→建物部位や建築設備ごとの修繕周期を明確にし、組合資金を円滑に運営する為には長期にわたる修繕計画が必要です。工事とそれに掛かる費用のバランスを保つ計画表と言えます。一般的には、管理会社が作成します。

5. 調査・診断て何?なぜ必要なの?誰がやるの?信用できるの?

→長期修繕計画はあくまでも計画です。実際にどれほどまでに劣化しているのか、傷んでいるのかを調査し、最適な工事内容、仕様を設定することにより、建物が適正に維持され、組合資金も効率的に運用できます。
その為に、工事前に調査・診断が必要です。設計監理会社が行ったり、CM契約先が行います

6. 特殊建築物定期検査での指摘はどうなっているのか?今回の改修工事で指摘事項の改修計画は入っているのか?

→検査結果と改修工事内容の整合性の開示が重要です。総会、工事説明会での確認が必要です。

7. 特殊建築物定期検査て何?なぜ必要なの?誰がやるの?

→安全で安心できる住空間の維持に向けた建物検といえます。車の車検にちかい検査とも言えます。

 

(6)工事中・後のケアや保険について

1. 工事が終わった後の保証はどうなっているのか

→外壁保証は5~10年、バルコニー防止は5年など、工事仕様等により保証機関は異なります。
設計仕様段階での保証を考慮し検討することが重要です。

2. 工事後に不備があった場合はどうなるのか

→施工契約前に、竣工後の定期検査と不備対応を確認しておくことが重要です。

3. 保証期間はどうなっているのか

→外壁保証は5~10年、バルコニー防止は5年など、工事仕様等により保証機関は異なります。
 設計仕様段階での保証を考慮し検討することが重要です。
 施工契約前に、竣工後の定期検査と不備対応を確認しておくことが重要です。

4. 工事中の事故は保証はどうなっているのか

→施工契約前に、工事中の保険契約を確認しておくことが重要です。

5. 怪我したらどうしてくれるのか

施工契約前に、工事中の保険契約を確認しておくことが重要です。

6. 火事や事故があった場合はどうなるのか

施工契約前に、工事中の保険契約を確認しておくことが重要です。

7. 不審者の侵入はどう対応するのか

特に足場設置時の防犯体制等について、施工契約前に確認しておくことが重要です。

 

(7)建築設備と更新・補正工事について

1. 建築設備て何?どんなものが建築設備なの?

駐車場、自転車置き場、エレベーター、受水槽、高架水槽、電気室等、共用部のあらゆる設備が該当します。

2. 建築設備ごとの工事周期や更新工事はどうなっているのか

→別紙一覧表をご参照ください

3. 建物部位ごとの工事周期はどうなっているのか?改修周期を教えてほしい?

→別紙一覧表をご参照ください

4. 建築設備ごとの基本的な更新工事費用はどれくらいか?

→目安は、長期修繕計画に算入されています

5. 建築設備ごとの補修・更新工事計画は、長期修繕計画に盛り込まれているのか

→長期修繕計画は、建物部位ごと、建築設備ごとに作成されています。

 

(8)改修工事中について

1. 工事中にできないことは何か

→駐車場場や駐輪場が使えない場合があります
 バルコニーが使用出来ない期間が発生した場合には、洗濯などができない日が発生します
 工事実施に向けて、様々な障害や事象を想定し、対処方法を検討しおくことが重要です

2. バルコニー改修中の洗濯はどうしてくれるのか?出来る日とできない日はどう知らせてくれるのか

→一般的には、掲示板にてお知らせされます

3. 騒音やほこりはどうしてくれるのか

→工事箇所、工事内容により騒音や埃の発生は避けられません

4. 平面駐車場は使えるのか?使えない場合の対応はどうしてくれるのか?

管理組合として、代替駐車場を準備しておく必要があります。

5. バルコニーは片づけられない。誰かしてほしい

→バルコニーは共用部の専用使用箇所に該当しますが、バルコニーにおいても良いものは管理規約で定められている
 はずです。植木などは室内に一時保管していただくか、各自での対応が必要です

6. バルコニーのものを預かってほしい

工事に関する内容は、総会にて検討され、承認されて初めて執行されます。
大規模修繕工事は内容や規模にもよります。

7. うちのバルコニーは工事は必要ない。だから部屋の中には入るな。

バルコニーは共用部の専用使用箇所に該当します
 専有部ではないため、工事対象となります

 

(9)近隣への対応、対策について

1. 近隣への挨拶はしなくていいの?

2. 埃、騒音や、トラックの出入りで近隣に迷惑が掛かるんじゃない?

3. うるさいところがあるけど大丈夫?

→大規模修繕工事には埃や騒音の発生、工事車両の出入りなどがどうしても発生します。工事着工前に、近隣に報告のための挨拶は欠かせません。工事元請け業者と管理組合とが打合せし、具体的に何処に挨拶に行くのか等決定します。
実際に挨拶に行くのは元請け業者が一般的です。

 

(10)施行中の元請け業者倒産

1. 元請け先は大丈夫なの?倒産などしないの

2. 元請け先の資金繰りは大丈夫なのかなぁ

3. 工事中に元請け業者が倒産したらどうなるの?

→元請け業者が倒産した場合は、継続して工事をさせるか、下請けに契約を切り替えるか、新たな業者を選定するなどの方法があります。元請け業者が倒産した場合には、工事の継続や代金の清算は頓挫してしまい請負契約それ自体が破産管財人(弁護士)によって処理されることになります。管財人は請負契約を継続して工事を続行すべきか契約を解除すべきかを、倒産業者の財産状態により判断します。
また、工事が継続できない場合は、工事の進捗状況、並びに支払状態により、代金を先取特権をもって返還請求することができますが、改修が難しい場合が多いようです。

※元請け業者選定には充分な事前調査を!

大規模修繕工事成功の鍵の一つは、元請け業者の選定です
選定基準の目安は次のような事が考えられます

①大規模修繕工事の実績
大規模修繕工事は新築工事と全く異なります
実績と共に、実施された案件を実際に見学に行ったり
大規模修繕中の案件を実際に見に行くことも重要です

②総合技術力はあるか
・躯体機能の回復
・美観の回復
・住環境の向上
・資産価値の向上
等、大規模修繕工事の目的を達成できる総合的な能力を持ち合わせているかが重要です

③アフター対応は大丈夫か
大規模修繕工事竣工後も保証や点検をきちんとできるかが重要です

④健全な会社経営状態か
・会社経歴
・資本金
・建設業の種類
・財務内容
・完工高実績
等、健全で信用できるかが重要です

⑤企業体質
・事前調査
・事前計画
・工事内容・仕様と費用見積
等、大規模修繕工事に対する企業体質を見極めることも重要です

 

(11)追加工事について

1. 追加工事って何?

2. どうして追加工事が発生するの?

3. 計画と違うんじゃない?

 

→大規模なマンションでは、事前検査・調査だけでは把握しきれない劣化・老朽化があります。
実際に足場を設置し調査しなければ正確な調査はできないことが往々にして発生します。
調査だけのために足場を設置するのはあまりにも過当投資になります。

手の届く箇所のサンプリング調査も行いますが、高層になればなるほど、大規模になればなるほど劣化・老朽化の度合いがフロアーや箇所により異なってきます。このため、どうしても追加工事が発生してします。

大規模修繕工事計画においては、基本工事だけではなく、追加工事の発生を見据えて資金計画等を組み立てておくことが賢明と言えます。